常に学ぶ場を求めて~JMA会員交流フォーラムに参加して~ Part.3

株式会社QES
総務・人事労務部 採用・教育・労務担当 高亀 一嘉様

日本能率協会の山根秀樹がインタビューします。
(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)

若い人材を育成する為に必要な視点とは?

山根
私共法人会員は、約1300社会員の方がいらっしゃいます。
法人会員としてご登録いただいておりますが、会員交流フォーラムなどをご利用される方へのメッセージは何かございますか。
また、フォーラムに参加されていない方へ、是非参加された方がいいというお勧めのポイントなどは何かございますか。

高亀
同じ課題でも他社様の視点や業界全体の視点を異業種あるいは異職種ではあるものの、結局課題の中で話をよく聞くと、似ている点がたくさん出てきます。
たとえば、大企業でも、中堅、中小企業でも変わらないテーマで、若い人たちをどう育てるかというような。
日本がこれからも世界で生きのびていくには、人材は大事だというところが分かります。
少子高齢化、人口はますます減少していくでしょうが、その中で若者達をいかに育てていくかというテーマは、どの企業も同じことだと思います。

山根
御社は、そういった若者達には力を注がれていますか。

高亀
やはり、採用には苦労しています。
新卒採用でも中途採用でも、優秀な人材の採用となると、競争は激しくなっているのではないでしょうか。
ただ一方、優秀かどうかという点については、一言では言えない部分があるので、いかに自分の会社に相応しい人を見つけることができるかというところが大切だと思います。

山根
結構その辺は重要ですよね。
自社に馴染むかどうかというところが重要ですね。

高亀
単に、頭の良さや有名な学校の学生さんを採用すればいいというだけなら、むしろ苦労はないかもしれませんね。

これからの時代の「優秀」の定義とは?

山根
大企業でも同じかもしれませんね。
結構優秀な方を採用し、仕事が自分1人で完結する時はいいかもしれませんが、たくさんの人とチームを組んでの仕事の場合には、組織力にならないケースというのも、多くの会社にお邪魔している中で耳にすることです。
確かに「優秀」の定義となると難しい問題ですね。
御社でも、優秀というところと、会社に相応しい方であるかというところについては結構難しいでしょうか。

高亀
やはり、お互いに実際に会ってみて話をするというのが1番だと思います。

山根
会って話をすれば、すぐ分かりますか。

高亀
今もインターンシップなどをやっていますが、時には話している中でお互いに少し違うかなと思う部分はあったりしますね。

山根
働くことに何を求めているかということなのでしょうか。
会話をしている中で、会社に合うか合わないかというのはどの辺の部分に感じるものですか。

高亀
よく交流会のテーマにもなっていますが、社風や風土といった部分は、ないようで実はあるのかなと思ったりします。

山根
自社の風土文化に合うか合わないかというのを、全体として判断されるのですね。

高亀
それもありますし、その中で本当に当社でチャレンジ精神などを発揮できるのかという部分も考えます。

山根
変化に応じてチャレンジしていくというのも難しいですよね。
やってくださいと言ってできるものではないでしょうし、チャレンジ精神を養うために何か工夫していることはありますか。

失敗をチャンスに結びつけるためには?

高亀
若い時には、多くの人が失敗をしていると思いますが、その失敗を失敗のまま終わらせないように会社が育てなければと思います。

山根
確かに失敗の時に人間は1番学ぶと言われますよね。
失敗によって凹んでしまう若い人も最近多いですが、周りの人が上手く次につなげてあげるということもすごく重要ですよね。

高亀
新人として採用すれば、必ず指導員をつけ、もし指導員が1人で足りないならサブもつけるようにしています。

山根
確かに、複数の目があると、育ち方も全然違ってくるでしょうね。

高亀
総務、人事の立場でいくと、配属後は次の階層の研修の時期までは疎遠になってしまうことがあります。働く場所が別のビルになってしまえば、ほとんど会うこともなく、人によっては1年に1回か2回しか会わないというような人も出てきますね。そのため、たまに昼食を一緒に食べに行ったりなどということも時にはしています。

山根
それは重要なことでしょうね。
仕事上ではなかなか聞き出せないことが、一緒に昼食をすることで様子が分かったり気持ちが分かったりするケースもあるものでしょうね。

高亀
御社のリーダーシップ研修や新任の課長の管理職のLDC、MDCなどでVCATという適正テストを実施されますよね。
VCATですと入社した当時に1回、次のリーダーシップでまた行い、さらにもう1回ラインの管理職になったらMDCで行います。その過程で本人の特性とういうか、根幹というか、いくつになっても変わらないものがデータとして見えたりすることがあります。
その時のメンタル状態が良かったのか、少し落ち込んだ時に研修に行った場合には、そのまま結果に出たりするので、継続して見ています。

山根
継続的に見られるツールとしてご活用いただく会社がございますよね。

高亀
会員交流フォーラムでファシリテーターの春野さんが講師の時に、リーダーシップ研修に当社の若い社員が何人か参加していますので、その時の講師の感想を拝見すると、とても得した気分になり、何か分からないことがあれば春野さんに質問させていただきます。

挑戦していくことの醍醐味とは?

山根
確かに春野はいろいろ研修の講師をやっておりますからね。
あと、経営的な側面で少し聞きたいのが、2013年に社名を一新されて、2014年に本社を移転されましたよね。
御社は設立30年を迎えられ、今は第二の創業の時だという認識がありますが、こういった部分についてお聞きしたいです。

高亀
1つには日経新聞・QUICKグループの一員として、ITのプロフェッショナル集団として、日本の金融市場をITの技術で支えるという会社の位置付けがあります。
またそれだけではなく、30数年もの間、日経グループのITの会社として培ってきた経験をベースにして、中立公正な立場でさまざまなお客様と取引きさせていただくという点で力を入れています。

山根
ソフトウェアだけじゃないということですか。

高亀
創立時はどちらかというと保守・運用の会社だったのですが、IT技術がどんどん進化したことによって、保守・運用の会社から開発の会社に様変わりしてきました。
今は開発から運用まで一貫したサービスを提供できますし、さらに建設業や設計事務所の免許も持っています。
信用が第一のメディア系のソフトウェアの会社として、様々なお客様に対応していくことで、第二の創業なのではないかということになります。

山根
挑戦していく中での醍醐味や面白さが、いかに伝わるかというのが1番重要ですよね。
誰もやってないことにチャレンジしてくという醍醐味や面白さが分かってくると、さらにどんどんチャレンジしていくような風土や文化になっていくのでしょうね。

高亀
できると思っています。

山根
分かりました。
インタビューは大体以上で終わりますが、また今後もさまざまな会員のサービスもありますし、御社の業務にお役立ていただけると思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
どうもありがとうございます。

高亀
ありがとうございました。